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過去のミーティング報告(2004/08/07)

夏の日差しよりも熱いファイルメーカー・フリークたちは今回も各地から続々集合!このオフ会で、確実に何かを求めて。
ミーティング概要
Demo1)
『XmChartを使った予約表作成に挑戦-三度目の正直』わしざわ歯科大学前クリニック 鷲沢直也氏
Speaker紹介:本業は歯医者さん。お忙しい中、毎回新潟から泊まりがけでFM-Tokyoに参加され、ITMediaに紹介されるほどのファイルメーカーProの使い手です。

自己紹介)
参加者全員による恒例の自己紹介。

Demo2)
『初心者脱却大作戦』茂田カツノリ氏
Speaker紹介:「ファイルメーカーPro関数・スクリプト事典」などファイルメーカーPro関連書籍の著作多数。ファイルメーカー界で知らないものはいない有名人。

Demo3)
『Filemaker Mobile 7 vs ファイルメーカー Mobile 2.0』坪川昌嗣氏
Speaker紹介:Palmユーザコミュニティの有名人。Macworld等での分かりやすいデモには定評があります。

フリーディスカッション)
『座談会コーナー』司会:高岡幸生氏

詳しい報告



Demo1) Top
「XmChartを使った予約表作成に挑戦-三度目の正直」わしざわ歯科大学前クリニック 鷲沢直也氏

使いやすさはクリックで
歯科の予約システム開発を過去に2度行った経験を生かし、「今回は3度目のチャレンジ」と、わしざわ歯科大学前クリニック 鷲沢直也医師の挨拶で、デモンストレーションが始まった。

 歯科医院では一般的に紙の予約表を使い、日々の予約状況の把握を行っている。 例として示された予約表にはビッシリと予約状況が書かれていた。 1枚の予約表で250名程度の予約を管理することができるそうだ。

この予約表をファイルメーカー Proで表現するために、1度目は繰り返しフィールドを採用したが、レイアウトの柔軟さに乏しく挫折。2度目はポータルで表現して、良いところまでは来たのだが、多くの医院に対する標準化やカスタマイズの手間などの問題があり再び挫折を味わった。

 3度目の開発である今回では、ファイルメーカー Proの画面上で、予約表をガントチャート*として表現し、さらに使いやすさの面を考え、予約を取りたい時間帯をマウスクリックすることで予約の手続きが行えるようになると良いのではないかと考え、医師医師は開発に臨んだ。

座標を取り出す
予約表をクリックしたときに、何月何日の何時頃の部分がクリックされたのかを知ることがなにり重要。鷲沢医師は、画面上でマウスクリックされた座標さえわかれば、その座標が含まれている範囲(時間帯)を予約時間帯とすることができると考えた。

そこで採用されたのが「Factory's FileMaker Plug-in」**。このプラグイン使用するとマウスクリックの座標を取り出すことができ、画面上の表現されている時間帯のどの位置がクリックされたかを特定することができるようになった。 座標さえ分かれば、あとはチャートを各方法を解決すれば、ガントチャートによる予約表を作ることができる。

xmCHART
チャートを記述するために用いたのが、「xmCHART」***というプラグインだ。このプラグインは主にファイルメーカー Proの画面上にグラフを描画するために使用するもので、鷲沢医師はこのプラグインが応用できないかと考えたわけだ。

「xmCHARTはとにかく簡単でおもしろい」と鷲沢医師は説明する。このプラグインは、高機能で多機能。そしてサンプルが豊富な上に、サンプルグラフの描画を行うための引数(計算式)をコピー/ペーストで自分のデータベースへ移植することができる。
 引数では、グラフの種類、大きさ、色、背景の設定、Y軸X軸の表示方法などの設定が記述される。

複数のサンプルを比較し、いらないところは削り、他のサンプルの引数から一部だけを移植。Y軸やX軸の太さや色、それぞれのラベル位置など、トライアンドエラーを繰り返すことで、自分が欲しい形に近づけていくことができた。

ダイナミック(動的)にチャートを描画
チャートを描画するために作成しなくてはならないのが引数だが、この引数をいかに効率よく簡単に構築していくかがポイントとなるが、それは「プレースホルダ」という考えで解決している。
引数をいくつかのグループに分け、それぞれのグループの名称を引数に記載しておく。

■初期プレースホルダの例
OpneDrawing()
 [OpenChart_AM]
 [Const_01]
 [Axis_X]
 [Axis_Y_AM]
 [Data_AM_a]
 [Scaling_AM]
CloseDrawing()

OpneDrawing()からCloseDrawing()の間に損記述されているのが、プレースホルダになる。ここのプレースホルダに入るべき引数の内容を計算フィールドで作成しておき、実際にチャートを描画するときにプレースホルダと計算式で作成される引数の内容をSubstitute関数で置き換えることで、描画に必要な引数を作成することができる仕組みだ。

たとえば「[OpenChart_AM]」というプレースホルダを実際の引数に置き換えるには、Substitute(gDummy,”[OpenChart_AM]”,”OpenChart(340;50;260;266;on)”)のように行う。
※上記例では、置き換え前のプレースホルダを含む引数をいったんgDummy(作業用フィールド)に保存しておき、そのフィールドに対してプレースホルダの置き換えを行っている。

このようにプレースホルダを上手に使用することにより、効率よく簡単にチャートを描くことができる。確かに鷲沢医師のデモンストレーションを見ていると、自分でも簡単にチャートが作れるような気になってくる。

アポイントヘルパー
ファイルメーカー Pro、Factory's FileMaker Plug-in、xmCHART、それから鷲沢医師の工夫の集結が、「アポイントヘルパー」になる。現在は開発途上と言うこともあり、予約とチャート描画の部分のみができているバージョンではあったが、クリックによる予約が実現されていた。予約したい日の予約したい時間帯の部分を画面上でクリックすることで、予約に必要な情報を入力する画面が表示され、確定することによって、画面上に予約を示す色付きのバーとともに予約情報(テキスト)が表示されるようになっている。予約の変更も同様の操作で行えるとのことだ。

何ヶ月かすると、この開発途上版に多くの機能が付加され、「アポイントヘルパー」として世の中に送り出させることになるかもしれない。 その時にはまた、FM-Tokyoで先行デモンストレーションをお願いしたいものだ。

まとめ
鷲沢医師のデモンストレーションはいつ見ても楽しい。これは鷲沢医師本人が楽しみながら開発をしているからではないだろうか。鷲沢医師が楽しかったことは、同じファイルメーカー Proを使う私たちにとっても、楽しいことだし、興味深いことであるからだろう。
楽しみながら自分の描いたシステムを形にしていけるということは、とても良いことだと思うし、そのような気持ちで構築されたシステムは、きっと良い物になるのではないか。実際楽しみながらシステム開発を行うと、アイデアはどんどんわきだし、そのアイデアがシステムに組み込まれていく。 そんなシステム作りっていいですね。

【資料】
・わしざわ歯科大学前クリニック
http://towa-project.com/wdc/
http://towa-project.com/

*「ガントチャート」
工場などで人員、工程管理などに用いられる帯状のグラフ。横軸に時間、縦軸に人員、製造設備等を配置し、工程ごとの個別の作業開始日、作業完了日などといった情報を帯状に示す。
(IT用語辞典 e-Wordsより)

**「Factory's FileMaker Plug-in」
http://www.factory-1987.co.jp/

***「xmCHART」
http://www.x2max.com/


(reported by Yukio Takaoka)

自己紹介) Top
参加者全員による恒例の自己紹介

今回も初参加の方が2〜3割ほど。ということは7〜8割の方が定着した常連メンバーと言うことになるのでしょうか。様々な職、立場におけるファイルメーカーとの関わりや現在の状況を付け加えての自己紹介は、毎回とても興味深いのです。

Demo2) Top
「初心者脱却大作戦」茂田カツノリ氏



FileMakerはフィールドを定義しレイアウトを作ってというところまでは簡単だけれど、その先で壁に当たってしまう人も多いでしょう。そこで、その壁を突破するには「これとこれを覚えれば大丈夫」という知識を、「ファイルメーカー関数事典」の著者でもある茂田さんにピンポイントでレクチャーしていただきました。
※FileMaker Pro 6を対象としています。

●最初に誰が使うのかを意識するということ
自分だけが使う場合は「確実に動くこと」を優先し、細部にはこだわらないこと。
反対に自分以外の人が使う場合は、インターフェイスデザインが大事であり、遷移イメージを準備しておく事など。Webのナビゲーション関連書籍が参考に なるなど、DB以外の知識も必要になる。

●データベースの設計の中核とは1レコードの意味を明確にすること
ここでひとつのレコードにいくつもの意味を持たせるために、リレーションの機能を使うことなど。

●作成のルール
フィールド名の定義する際にルールを決めることなど。
ただし、そこでこだわらないのもひとつの考えであること。

●関数について
頻繁に使用するものは覚えるべきものであり、それ以外のものはHelp参照で必 要時に調べる。いくつかの代表的な関数を例にあげ説明。

●スクリプト
これも代表的なものとして、フィールド設定、ループ処理、レイアウト切り替 えをあげ、これを基本にあとは必要時にHelp参照で調べる。
あと、注意点として全置換やレコード削除等について述べられた。

●まとめ
ファイルメーカーを使い始めて暫く経って、一通りの事が出来るようになった 次はさらに高機能を求めてファイルメーカーの深部に入り込んでいくもので す。
最近はファイルメーカーの関連書籍も数は少ない(他のDBに比べて)ですが、 内容的には充実してますし参考にされている方も多いと思います。しかし、一 番参考になるのは他の人の作ったファイルを研究することだと思います。そこ には初心者の方々にとってはまさに「目から鱗」のテクニックが満載されてい ます。それらを研究、応用していくことで初心者から次のステップへ進みましょう。



(reported by Yasuhiro Okuda)

Demo3) Top
「Filemaker Mobile 7 vs ファイルメーカー Mobile 2.0」坪川昌嗣


Palm等のMobileツールに対する造詣の深い坪川さんによる、導入手順まで含めたデモがあった。

新しい機能としては、転送時のデータの絞込みが出来る、母艦であらかじめFM7を立ち上げてなくても転送作業をはじめることが出来るなど、多少の性能向上は見られるが、基本的に従来のバージョンとの大きな違いはなく、転送できるのは1ファイル、当然FM7シリーズにおいては1テーブルのフラットなデータのみで、「リレーションで繋がる関連レコードのデータは表示できない」という部分は一緒である。

しかし、これを使う用途で思い浮かべられる、倉庫に持っていって、在庫の管理業務などして、PC上のメインデータと連動させる場合においては、PDAのメモリ能力などを考えれば必要十分なのだとは思う。

ただ、今後のPDAの市場が不透明ということもあり、小型HDD搭載の高性能CPUが載った(しかも低価格の)PDAでも出てこないと、この製品の存在意義自体が変わってくる可能性があるように感じた。やはり私見ではあるが、コンパクトでもパワーとデータ容量の大きなマシンの上で、FM7シリーズのメリットである1ファイル内の複数テーブルが扱えるようなら、活用範囲がもっと広がるような気がする。

(reported by Takao Tsunemori)

[フリーディスカッション(という名の山本先生の数分のデモ)] Top

今回も熱いFM-Tokyo、充分に濃いデモが3つ行われてもまだ足りず、かねて用意の山本先生の乱入があり、都合4つ目のデモが行われた。

※このレポートを読もうというような方でこのカタを知らない人は少ないかと思いますが、一応説明しますと、都立広尾病院の小児科の先生で、medical macintosh主催の山本康仁氏です。そのへんのシステム屋さんに発注したら1千万ぐらいかかりそうなものを当直込み4日ぐらいで作ります。

で、そのデモ内容はというと、「FileMaker Proによる電子カルテ -紙カルテを超えることから始まる電子カルテ-」という非常に意義深いものが7分間(と本人はおっしゃっていたが、実際は13分ぐらい)行われた。
カルテとは、文章の内容だけではなく、配置、並び順などが重要であることと、カードというよりはアウトラインプロセッサに近いものであるということがまず説明される。
このカルテシステムでは、入力者は、問題点ひとつに対し、「SOAP」(訴え、現症、考察、計画)の形で登録を行う。このデータをファイルメーカー内部で
・コード化
・粒子化
・データマイニング
を行い、ユーザに対して「時系列表示」や「急性および慢性疾患に関する複数の時間軸でのビュー」「チェックリスト」を提供する。
2次元的なアウトライン情報に対して、時間軸を加えることによって3次元的な情報の管理および活用を目指したということが説明される。
もっとも会場がどよめいたのは、そのユーザインターフェイスのデモであった。画面右のポータルで行挿入を行い、ポータルのプルダウンメニューから選択(これがまた凝っていた)された情報が、画面の大部分を占める美しいカレンダー画面の適切な位置に表示されていく。ポータル側ではあたかもアウトラインプロセッサのように適切なレベル分けやプルダウンのon/offが行われており、情報が反映されるカレンダーの秀逸なユーザインターフェイスとも相まって、まさに3次元的な情報の活用がなされたシステムであると感じられた。

ということで、本来の座談会コーナーも一瞬行われたような気もしたが、上記のデモに関する質疑応答が数分間行われたところで時間切れとなった。フリーディスカッションは次回に乞うご期待。


(reported by Koji Takeuchi)


編集後記)
今回も前回と同じく45名の参加者で大盛況!
最近のネタは高度なものが多い中、ファイルメーカーの数ある書籍の中でもベストセラー本を多く書かれている茂田氏に、まだ始めたばかりの方向けのデモを依頼したところ、快く引き受けていただけました。その解りやすいデモ資料はもちろんファイルメーカーで作成され、その中に無意味な(失礼)バナー広告が入っているちゃめっ気さは、実はひょうきんな氏の性格をよく表していて、とても楽しませていただきました。
ところで前回の自分の言葉はどこへやら、レポートの作成がいきなり遅れてしまいましてすみません!8月のレポートだと言うのに、気がついたら秋も終わりです。オフ会が終わってすぐにやればいいのに、なんだかほっとして一同気が抜けてしまいがち・・。担当の皆さんから各原稿があがったのは次の10月のオフ会直前だったのですが、それからさらに1ヶ月あたためていたのは私でございます。←反省!
それでもやっぱり、ご感想、ご意見等お待ちしております。
>>fmtokyo-info@filemaker.gr.jp

(Shin Ninagawa)


懇親会)
オフラインミーティングの本編終了後は,お楽しみの懇親会です。
新宿はいつも大勢で押し掛けてお世話になっているお店「石狩川」へ。こちらにのみ参加の方も含めて、たしか44名!あちこちで、自作のネタを見せっこしたり、様々な秘話でどよめいたり…、いつもながらの盛り上がりでございました。
続いての二次会は、数名の方々がビールを買い込んで○△×に出かけていったような、はて…?





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※無断転用は禁止です。

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